92枚目 フードバンク活動についてpart2

みなさんこんにちは。
ミスベティー代表の白川です。

引き続き、フードバンク活動についてお話します。

前回は、①ミスベティーのフードバンク活動のきっかけ ②フードバンク活動の貧困支援の側面 ③支援活動の限界
以上3つについて、お話しました。

今回は、活動資金を確保するための取り組みについてお話したいと思います。
基本
団体の活動経費の一番基礎となる部分
「会費」+「寄付」です。

会費は会員が増えれば、次第に増えていきますが、寄付は安定しません。 コロナ禍では、寄付を頂くことが多かったのですが、一段落した今は、だいぶ減ってきています。
寄付を安定して頂ける、関係作りや活動報告にも力を入れる必要があるのでしょうが、日々の業務に追われていると結構おろそかになりがちです。

補助金
色々な福祉系の財団から、活動支援の補助金を頂くことが出来ます。
ただし、事業計画書を作成し、補助金の使い道を明記したうえで、活動実績報告書を提出する必要があります。
また、補助金の申請が通らなければ、当然事業を進めることも出来なくなってしまいますので、不安定な組織運営となってしまいます。
個人的には、組織が安定してきて、何か新しいことにチャレンジして、弾みをつける時などに補助金を活用すべきで、常態的にあてにするべきではないと考えています。
さらに言及すると、補助金で活動が広がったあと、翌年度もその補助金の公募があるとは限りませんし、その補助金を勝ち取る保証もありませんので、後で記載する自主財源の確保と両輪で回す方が良いと思います。

自主財源の確保について
ボランティア活動を始めようと思った、3年前に自主財源の確保について考えました。
サービスの受益者から対価を貰わず、どうやってお金を生んだらよいのか、すごく悩みました。
ボランティア活動の本なども読み漁りましたが、この自主財源の確保について具体的に書かれている本を見つけることが出来ず、結局自分で答えを出すしかないと判断しました。
おそらく、同じ悩みを持っている団体運営者の方もたくさんいらっしゃると思います。

これはあくまで私が導きだした答えであり、正解ではありませんし、実績もまだほとんどありません。理論とほんのちょっとの実践だけです。
参考程度に捉えて下さい。

①会費以上の利用料を取る
②公益性のある活動を1年間継続し、地域の活動として認めてもらう
③体験をサービスとして捉え、一般の方に体験を販売し対価を得る
④物を作り販売する
⑤宣伝媒体を持つ
⑥イベントを企画する
⑦地域のお店とコラボして募金を兼ねた商品を販売する

①利用料を取る
これは、会員の中でもコアメンバーや、施設を利用する回数が多い人、法人など、一般の会員と同じにしていると、ちょっと違和感がある人や団体が出てくると思います。
彼らの負担にならない範囲で、会費とは別に利用料を徴収するとみんなの納得も得やすいと思います。 利用料=共益費みたいな感じです。

②地域活動として認めてもらう
これは、行政や町内会の予算を頂く形です。
1年間は実績作りで、予算を貰わずに活動を続け、その間に区長さんや、議員さん、町長などに来て頂き、活動を知ってもらいます。
商売ではなく、あくまで公益のために活動していることが前提となりますので、なにが公益に繋がるのか客観的な目線が必要です。
この予算の注意点は、自主的なボランティアグループが予算を貰うことで、所謂、行政の下請けになってしまわないか、活動の自主性を担保出来るかがキモとなります。

具体的な例を挙げると「子ども食堂とプレイパークを併設した空間で、行政の予算を頂いているので、怪我の恐れがある活動は控えるように指示を受け、室内でのボードゲーム遊びしか出来なくなった。」

本来は、怪我をして危険を覚えることが生きることに繋がる教育だと思いますが、大人の責任問題に巻き込まれ、子どもが人間らしく生きる環境を用意できなくなってしまったら、活動の意味が無くなってしまいます。

予算を付けて頂くときに、その辺の理解を交渉したいところです。 今のところ、みやじ子ども食堂では、ボランティア保険でその辺のリスクは担保しています。

③体験を売る
この発想は日本人には理解しがたく、私も頭では理解しているのですが、文化的に拒絶していたり、サービスしてしまう自分がいます。
例えば、フードバンク活動に一日参加し、その後参加者と事務局メンバーとのワークショップを開く会があれば、これから社会起業家として活躍しようとしている若者にとって良い経験になると思います。
中学生の子を持つ親の立場からすれば、社会問題に意識を向ける良いきっかけになり、反抗期の息子と一緒に参加できるイベントになるので、参加費を払ってでも参加したいと思います。
物を売った、買ったの物質的な取引が染みついた昭和・平成世代には、ちょっと理解しがたいですが、確実に需要はあると考えています。

④物を販売する
一応書きましたが、これが結構難しい。販売プラットフォームを確立するということは、お店を持つことになります。
そんなノウハウも無いし、商品の発送などをする余裕が無いというのが実情だと思います。
身近で、メルカリなどを駆使しているスーパー主婦さんがいれば、可能かもしれません。
個人的には、将来 企業の廃材を集めて、雑貨などを作り販売したいと考えています。
関ヶ原で地域研究のフィールドワークに出かけた際に、高齢者のグループが脳活と活動資金確保のため、みんなでビニールひもを編んで草履やバッグを作る活動をされていました。
それを自分たちが手作りで作り上げた、アンテナショップで販売するとすぐに完売してしまうそうです。
工夫次第で、色々な社会問題が少し改善出来そうな活動だと思いませんか?

⑤宣伝媒体
ボランティア団体もSNSを通じて、活動を発信します。
これをうまく活用して、寄付して頂いた方や企業を取材させて頂き、団体のSNSで宣伝することが出来れば、良い宣伝になるので、寄付が集まりやすくなるかもしれません。
この活動の難しい点は、ボランティアをする余裕のある方は高齢者が多く、うまくSNSを活用することが出来ないので、得意な人がメンバーにいるかどうかで変わってきます。

⑥イベント企画
私が裏で進めていることなのですが、フードバンク活動を一般の方にも知って頂くように、チャリティーイベントを開催しようと考えています。
食品ロスを減らす取り組みや、緊急支援の実情などを知って頂きながら、別のブースではマルシェを開催します。
寄付や、会員を募りながら、マルシェでは、売り上げの一部を寄付してもらう企画となっています。
ボランティア団体活動は、クローズドな関係性になりがちですので、このようにイベントを企画して、一般の方に参加してもらう機会を作っていくことが大切だと考えています。

⑦コラボ商品
これも、ミスベティーで実践しようと考えていますが
身近なお店に団体の活動に理解を頂き、団体とのコラボ商品を開発。 その商品が売れるたびに団体に寄付して頂く企画です。
アイディアとしては
・既存のセット販売に+1000円 した物を販売し、その商品が売れるたびに1000円の寄付
・完全オリジナル商品を1000円程度の高単価で販売し、その商品が売れるたびに500円の寄付
・店内カフェメニューで、コラボ商品を開発 2000円程度の高単価で販売し、その商品が売れるたびに500円の寄付

スタッフには、「自分が食べたい最強のワッフルやカフェメニューを開発して欲しい」 「愛ある商品を作って欲しい」と伝えてあります。
この企画は、寄付へのハードルを低くするために、商品の購入を通じて、自然と寄付になる導線が作れないかと思い企画しました。

季節のワッフルプレートや季節のクレープがこの企画の対象となりそうです。
かなりこだわった複雑な味わいの商品を試作していました。6月にはリリース出来ると思います。

お店側が販売数量を記録し、約束通り寄付して頂けるのかが、一番重要なポイントになると思います。
一番良いのは、お店側から販売促進を兼ねて、コラボしたいという申し出があると良いと思います。

以上が私が考える、自主財源の確保方法です。
本当は、もっと正攻法の普通の財源確保の方法があるのでしょうが、岐阜の過疎化が進む地域に住む我々には、正攻法ほど難しい物は無いと感じてしまいます。

前回もリンクを貼りましたが、もしフードバンク活動にご興味ある方いらっしゃいましたら、下記ホームページからフードバンクぎふへアクセスお願い致します。

フードバンクぎふホームページ