149枚目 飲食店の現状を考えるpart2

みなさんこんにちは。
ミスベティー代表の白川です。

引き続き、飲食店の現状について書いていきます。
前回では、飲食店が置かれている厳しい状況と、止む無くサービス縮小を行う背景を書きました。

今回は、今の厳しい状況を乗り越える考え方を書いていきたいと思います。
あくまで、私個人の意見ですので、正解は無く、個別要因が多すぎるので、考え方の参考にして貰えば良いと思って書いています。

①大前提を決める
会社や店舗を運営する上で、大前提として、経営者が持つ信条

ミスベティーの場合
・会社・お店を継続させて、自分の生活、従業員の雇用を守ること
・ブランドが無くなることが、お客様に対する一番のマイナス価値となる。どんな形であれ、ミスベティーブランド、ミスベティーのワッフルを提供し続ける環境を作る

②自社の強み、利益を一番生んでいるポイントはどこか整理する
例:
・モーニングサービスが人気のお店の場合
実は利益が出ているサービスは午後からのカフェで出る食事メニューと喫茶利用
→モーニングサービス中に食事メニューを取り入れた高単価モーニングサービスの実施

・地域の常連を対象としている田舎の小さな喫茶店の場合
従業員を使わず、運営することで小さな売上でも店舗の維持が可能 オーナーさんの人柄で集客 
提供出来るサービスを増やすことが難しいため、既存客が好みそうな物販を始めるなどして、客単価を上げる工夫が良いかも?

③大胆な手法も考える
消費が冷え込んでいるトレンドはここ数年は続くと思います。
既存サービスの延長上で色々と考えても、大きく売上が改善されない可能性がある。
ジリ貧にならないために、大胆なサービス・手法も検討する。
例;
・モーニングサービスをビュッフェ形式に変えて、配膳の手間を減らし、サービスをエンタメ化する
・テイクアウト用のケーキなどを少量作っていたが、道の駅に納品するようになった
・自店で消費している野菜や果物、調味料を店頭で販売する
・スーパーなどの催事販売に挑戦する
・空いているスペースを活用して、ワークショップの開催

④大前提を守るまたは実現するために、サービスの取捨選択をする
店舗運営の年数が経つごとに段々とメニューやサービスが増えていきます。
それぞれのサービスにお客様が付いていることは承知ですが、コストと見込み売上の比較、代替メニューやサービスの提供状況などを鑑みて、サービスを縮小、廃止なども検討する。

⑤全体を俯瞰する
①~④で考えたことが、自分自身のコンセプトに合っているか。今現在、お店を利用しているお客様に満足して貰えるか。俯瞰的に捉えて、最終的な判断をする。

ざっくりですが、以上5つのポイントが重要だと考えています。
簡単に整理すると
・譲れない価値、守りたい事を決める
・売れている商品や評価されているポイントを再認識
・既存路線だけではなく、路線その物を増やす発想をもつ
・複雑化し過ぎたサービスをシンプルに戻し、運営コストを減らす工夫も必要
・浮かんだアイディアをバラバラに実施せず、俯瞰してから物事を進める

ミスベティーの場合だと
①大前提
・会社・お店を継続させて、自分の生活、従業員の雇用を守ること
・ブランドが無くなることが、お客様に対する一番のマイナス価値となる。どんな形であれ、ミスベティーブランド、ミスベティーのワッフルを提供し続ける環境を作る

②強み
テイクアウトワッフルが収益の柱
如何に生産性を高めることが出来るか。→商品を製造し続けること。
販売先、納品先、卸先の開拓

③④大胆な手法と取捨選択
テイクアウトワッフルの強みを活かして、生産性を高める。
従業員を増やさずに、生産性を高めるため、カフェサービスやクレープ提供などを時間・曜日指定とした。
少人数の従業員の労働負担を減らすため、平日の営業時間を16時とした。(正社員月の休み9日~10日(有給休暇込み) 残業20時間程度になるように調整。手取り25万前後)

⑤テイクアウトワッフルの販路拡大を続けながら、カフェ利用のお客様の満足度を上げるために、提供しているサービスのブラッシュアップなどを続けている。評判の良いメニューや要望の多いメニューを終日提供出来るように準備を進めている。従業員不足で提供が不安定にならないように、人材募集と従業員教育をセットで行っている。

こんな所でしょうか。

前回のコラムで書いた、単純な苦し紛れのサービス縮小ではなく、戦略的なサービスの取捨選択とそれに代わる価値の提供が出来ているかがポイントになると思います。

最後に常日頃思うことですが、私自身、物価高の影響で外食に行く機会が一気に減りました。
温泉に行くのが趣味で、週1~2は近隣の温泉に出入りしていました。(池田町の湯気の里のスタンプカードコンプリート者に名を連ねています。)
しかし、温泉に行く機会は3か月に1回くらいに激減しました。
単純に生活コストが上がってしまったため、金銭的な余裕が無いのもそうですが、以前よりも稼がないといけないので、時間の確保が難しくなりました。
おそらく、ほとんどの方が私と似たような状況にあると思います。
行きつけのお店が嫌になったわけでもなく、単純に余裕がないだけ。
心の中では常に、行きつけの担々麺が食べたいですし、帰りに温泉に行きたいです。

特になにもしていないのに、昨年対比で10%~20%売上が下がる現状に、やる気と自信を失い、お店の強みすらも無くなってしまいそうなオーナーさんもいらっしゃると思います。

多くのお客様が、もう一度、以前の様にお店に行きたいと思っています。
社会にもう少し余裕が生まれるまで、大変ですが工夫を凝らし、なんとかお店を続けられる方法を模索し続けていきましょう。