20枚目 ミスベティーの商品開発 part3

みなさんこんにちは!

20回目となる今回のコラムは、
前回までの続きで「商品開発」についてお話していきたいと思います。

 

これまでのおさらい
18回目のコラムでは「ミスベティ-スタッフのシーズを基にした商品開発」
19回目では、「ニーズを基にした商品開発のやり方と課題」
20回目の今回は「実際にニーズを基にして生まれた商品の説明」

ニーズを基にして生まれた商品として、「ワッフルモーニングプレート」についてお話したいと思います。

 

コラムの第1回目に少し書いたのですが、ミスベティー本店は昔、モーニングサービスを実施していました。
とても人気だったのですが、材料費の高騰や働き方改革など、色々な理由でモーニングサービスを休止しました。

休止から5年近く経った今でも、モーニングサービスをやって欲しいという要望を多く頂いていました。
これはまさしく「ニーズ」に該当すると思います。

 

コロナ禍で既存のビジネスモデルが崩れ、安定した売上を上げることの出来る店舗運営にシフトしたことで、
ミスべティーの社内会議でもモーニングサービスの実施について議題に上がるようになりました。

モーニングサービスというと「安い ボリュームがある 早朝からお店がやっている」というイメージが世間一般的についており、
そのイメージに合わせた、いわゆる薄利多売を目的とする商品の提供は、他の業務を圧迫することになり、
過去のモーニングサービス休止の経緯から、それは出来ないということが前提での商品開発となりました。

 

前回のコラムで書いた、ニーズを基にした商品開発のジレンマがここで生じています。
お客様の「モーニングサービスを求めるニーズ」とお店側の「出来る部分」にミスマッチが生じています。

ミスべティーではこのジレンマを下記のように解決しました。
モーニングサービスを実施して欲しいという言葉の裏には
「朝、このお店で一番おすすめのセットを提供して欲しい」というお客様の要望が隠れているのではないか?
モーニングサービス全般のイメージをミスベティーに求めているのではなく、ミスべティーが考えるモーニングサービスを求めているのではないか?
そんな風に考え、一般的なモーニングサービスのイメージは一旦横に置いておき、自分たちが提供出来る「朝、食べて欲しいメニュー」の開発を進めました。

営業時間が9時30分と、一般的なモーニングサービスのお店よりも開店時間が遅いこともあり、ブランチの時間帯からランチまでを対象に、ボリュームのあるメニューの開発を進めました。

そうしてリリースしたのが
・ソーセージプレート
・タコスプレート
・バナナワッフルプレート
の3つのプレートメニューでした。

 

1つ1つにボリュームがあり、値段も850円とあまり見ない価格帯での提供となりました。
もちろん、このメニューをモーニングサービスと言って良いのか、これでお客様が本当に満足出来るのか?という疑問が浮かんできます。

そこでアンケート調査を実施し、商品に対するお客様の満足度や、モーニングサービスとしての立ち位置、足りないポイント等を調査しました。

新しいモーニングサービスをご注文頂いた、80名程のお客様にアンケート調査にご協力頂きました。

 

アンケート結果では、
味やボリューム、盛り付けや見た目では概ね 7~10点(10点満点中)
価格面や全体的な満足度では 8~6点
足りないポイントとして、ドリンクメニューの充実や少しボリュームの抑えたモーニングメニューが欲しいなどの意見がありました。

既存のモーニングサービスのイメージとは大きく異なるサービスを実施しましたが、多くのお客様が満足して下さっていることが分かり、安心しました。
改善点として、ボリュームがあるメニューしかないので、選べるようにすること、ドリンクメニューの選択肢を増やすこと、などのご意見を頂いたので、さっそく商品開発に活かしました。

 

そうして開発されたのが
「モーニングワッフルセット 650円」です。
基本的にはタコスプレートの材料を使用していますが、ハーフサイズのボリュームとなり、価格帯も注文しやすい物になっています。

ドリンクメニューの選択肢については、季節のメニューを充実させ、季節のドリンクメニューの提供を始めました。

ここまで書いてきたように、ニーズを基にした商品開発は、想定されるニーズを解決した商品を開発し、その商品が本当にニーズを解決出来ているのか検証をし、さらに商品開発を深めていく。
変化し続ける消費者心理に合わせて、常に変化する姿勢を持つことが大切だと思います。
かなり労力のいる作業になるので、新規客の獲得など、売上貢献度が大きいサービスを、新しく実施する時などに活用すると良いと思います。

 

3回に渡って長文を書き続けた「商品開発について」いかがでしたでしょうか?
本当は、高校生と地元企業との商品開発コラボ企画についても言及したい気持ちでありましたが、それは別の機会に書きたいと思います。

次回は「商品ロス」について書いていきたいと思います。