22枚目 食品ロスについてpart2

みなさんこんにちは!

引き続き食品ロスについて書いていきたいと思います。
前回は、「なぜお店で食品の廃棄ロスが出るのか」「廃棄ロスを出さない為の取り組み」などをご紹介しました。

 

今回は、そもそも 廃棄をする判断根拠となる、「消費期限と賞味期限」についてお話したいと思います。

もう一般的に周知されて来ていますが、
「消費期限」は概ね3日~5日以内に食べてしまう、保存期間が短い物に使用される言葉です。
この期間を超えると食べない方が良い と判断されるのが消費期限です。

「賞味期限」は保存期間が長い物に使用される言葉です。
保存期間が長いので、その期間を目安に食べて下さいね。その期間まではおいしさを保証しますよ。というのが賞味期限です。

 

ミスベティーのワッフルは生菓子なので消費期限で表示されています。

そもそもこの消費期限はどのように設定しているかご存じでしょうか?

「科学的根拠に基づき十分に安全性が担保される日付を設定すること」

私が勉強した15年くらい前は上記のように書いてあるだけでした。
具体的には
その商品が流通・保管される温度帯で、一定期間保存し、その商品の劣化や細菌の繁殖をテストして、
十分に安全であることを確かめた数値から安全係数(0.8)を掛けた数字を消費期限とします。

 

ワッフルの場合だと
消費期限は翌日に設定してありますので、2日
消費期限を2日に設定する場合は、冷蔵保存状態で3日保管し、3日目の物を検査して、問題なければ消費期限を2日と設定します。
実際は5日間冷蔵して、作った当日と3日目と5日目の3回検査をして、問題ないことを検証しています。

保存期間の長い、賞味期限も手順は同じです。賞味期限を90日に設定する場合は、120日後に検査して、問題なければOKとなります。

ここまでが消費・消費期限の設定方法です。

 

前回のコラムの最後に、消費期限とは別の要素で廃棄を迫られると書きました。

これは何かというと、消費期限の設定はあくまで安全に食べられる日付であり、おいしさを担保しようとすると、また別の問題になります。
ワッフルは厳密にいうと賞味期限4日でも問題ありません。
しかし、おいしく食べて頂ける日付として、製造日の翌日までとしています。
ここに廃棄が出る原因があります。

 

安全を担保出来るギリギリまで消費期限を設定すると、その日までは食べても大丈夫となり、購入後から時間が経った物をお客様が口にされます。
時間が経った物は味が劣化しており、商品の評価は下がります。しかし消費期限内なので、その商品は初めからそのような味なのだと勘違いをしてしまいます。
そうなってくると、お店の価値が下がってしまうので、お店側からすると絶対においしい期間を消費期限として設定します。
これが廃棄を作る一番の要因となります。

 

①おいしい物を提供する為に、本来よりも極端に短い消費期限に設定
②消費期限は安全に食べられる目安
③消費期限切れてるから安全ではない
④廃棄一択
という流れが出来上がります。

 

これらを解消するためには、賞味期限への転換がベストだと考えています。
③の消費期限が切れる前に、冷凍保存や、ラスクにするなど、長期保存が可能な状態に変更すればよいと思います。
ミスベティーでは、余ってしまった廃棄予定のワッフルを冷凍させ、フードバンク活動へ寄付しています。

 

消費期限が切れる前に冷凍させ、品質的には大きく劣化はしていないが、消費期限切れのパンを宿泊客に提供したことで、大きなニュースになっていたホテルがありました。
お金を出して、サービスを購入しているお客様に、最大限のサービスを提供していないことが問題だと感じますが、「消費期限切れ」というワードだけを取り上げて、問題視する姿勢は
より一層の食品に対する監視姿勢が強くなり、食品ロスに拍車がかかってしまうのではないかと思います。

大事なのは、「根拠に基づいた安全」であること その安全な商品を理解した上で 「消費者が選択して食べること」だと思います。
要するに双方の合意の上で、選択して、食品ロスを減らす取り組みをしている状態が理想的ですよね。

お店側が変に隠したり、消費者側に立ってもいない、第三者が騒ぎ立てることは、少し違うように感じます。

次回は、「食べられる食品を捨てる」というワードについて考えていきたいと思います。