29枚目 大野の太鼓判
みなさんこんにちは!
早いもので、このコラムが次回30回を迎えようとしています。
何事も継続することが大事ですね。
スタッフや家族からは堅苦しいと不評ですが、プライベートでも仕事場での常にコラム記事に書くようなことを喋っているので、
自分のスタイルを変えずに続けていきたいと思います。
さて、今回は「大野の太鼓判」についてお話したいと思います。
先日の11月30日に今年度の大野の太鼓判認定式がありました。
ミスベティーからは「おおの野菜のワッフル生地 トマト」が認定されました。
これで合計4点の商品が認定され、最多認定店になりました。
そもそも、みなさんは大野の太鼓判をご存じでしょうか?
大野の太鼓判認定制度は、今から8年前の2013年に大野町に特産品を作ろうと、町長主導で始まった制度だそうです。
(30日の日にそのようなことを言っていました。 間違っていたらごめんなさい。)
初めは「柿と薔薇」しかないから、それにちなんだ物を集めるというニュアンスが強かったようです。
その中で、ミスベティーも太鼓判のお話を聞き、柿を使ったスイーツ開発を始め「柿氷 かきこおり」が生まれました。
次に「柿ろまん」ワッフルが認定されました。
さらに「大野アイスワッフル」も認定と、精力的に太鼓判認定商品の開発を続けてきました。
柿と薔薇をベースに、ミスベティーで出来る商品を開発してきましたが、ある問題が発生します。
特産品として認定を受けているが、思ったよりも売れないのです。
町から表彰され、町が推奨する商品として認定はされていますが、日常的にお店に来店されるお客様は地元の方が多く、リピーターがほとんどです。
特別な商品よりも、「いつものお気に入り」が良い訳です。
認定後すぐのタイミングなどは、話題性もあり少し動きますが、時間が経つと、観光客をターゲットにした商品という扱いになってしまいます。
なぜこのような問題が起こってしまうのか。
いつも思っている太鼓判の課題を下記に書きます。(ほとんど愚痴みたいになりますが・・・)
①特産品を使った商品の特殊性
柿と薔薇やお米、野菜など 農産物を使った特産品開発が多いのですが、これらは季節性があり、材料の安定供給が難しいです。
昨年仕入れられていた材料が、今年は無いということもあり、太鼓判のカタログに掲載されているが、購入することが出来ないという問題が発生します。
また、特別な材料を使用するので、どうしても材料費が高くなってしまい、定番の商品よりも価格が高くなってしまいます。
大野祭りの時に、大野アイスワッフルの試食アンケートを実施している時に、
地元のおばあちゃんから「こんな高い物 ワシの食べるもんじゃない!」と価格についての意見しか出なかったことを覚えています。
②町主導の特産品認定の弊害
本来、その地域の特産品というのは、長い歴史の中でなんとなく根付いた物が特産品になっていると思います。
伊勢の赤福なども、地元の食材を使っているから名物になっている訳では無いですよね。
町主導で一方的に特産品認定をするだけでは、住民の理解を得られず、「お店と町が勝手にやっていること」になってしまいます。
③大野町というマーケットの弱さ
人口2万3000人程度で、人口の3割弱が高齢者の大野町では、町内だけのマーケットで認定商品の利益確保は難しいです。
道の駅が出来たことで、若干マーケットが広がりましたが、太鼓判認定商品は土日の観光客が多い時以外は動かないのは実情です。
④地域関係人口に対する理解と住民参画意識の弱さ
町の特産品を誰に食べて貰いたいか?という問いに対して、「観光客」と答えているといつまで経っても太鼓判商品が活きることは難しいと思います。
観光客も大事ですが、大野町は大きな観光地ではありませんし、宿泊施設も少ないです。
重要なのは、大野町を利用する人だと思います。道の駅に来る人、地域のお店に来る人、温泉や公園に来る人。
おそらく大垣市や、となり町の池田町や北方町の方が多いと思います。
その方たちに対して、太鼓判商品に興味を持って貰えるアプローチが必要になると思います。
また、そこに住んでいる住民の口コミほど強い情報ツールはありません。
もっと大野町民が太鼓判商品を購入する機会を増やすべきだと思います。
※用途を絞ったクーポンや割引券ではブランド価値が下がるため、太鼓判商品を購入することでノベルティがもらえたり、地域の子ども達が試食する場を作っても良いかもしれません。
⑤太鼓判ブランドなのか、ローカルショップをブランディングするのか
色々と書きましたが、一番の問題点はココだと思います。
「大野の太鼓判」という大野町ブランドをプッシュしたいのか、太鼓判認定商品を用意してくださる、地域のお店をブランディングしたいのか不明瞭です。
とりあえず、町内に特産品を増やそうとして始まった経緯があるので、
ある程度不明瞭なところがあるのは仕方ないと思いますが、8年目を迎えるのでそろそろ考えて頂きたいと、常日頃文句を言っている訳です。
1.特定の商品を特産品とする場合(お店から町に申請する現在の流れ)
2.地域に根付いた商品やブランドを太鼓判として認定する場合(役場からお店側にオファーする流れ)
3.地域住民の要望を受けて認定される場合(住民が特産品を決める流れ)
上記のようなパターンで特産品を広くとらえることも重要だと思います。
地域に根付いた商品やブランドに対して認定することが出来れば、普段住民が食べている物が認定されることになり、結果的に太鼓判認定制度がより知れ渡ると思います。
今のところ、ミスベティーのワッフルは地元の農産物を使っていないので、ワッフル自体は太鼓判として認定されないようです。
「大野町で採れた農産物を使って開発された物に限る」または「町内で加工された物」という規定があるのですが、開発した商品に地元の食材を使っていないと認定されません。
そうすると野菜や柿、薔薇、お米を使った物に限られてしまい、上記で書いてきたような問題が起こります。
散々問題点を書き連ねてきましたが、やはり特産品に認定されるメリットは大きく、夏休みなど観光客が動く時期は、柿氷を求めて毎年来店されるお客様がいらっしゃいます。
少しずつですが、浸透していき、いずれ地域に根付いた本当の特産品になれば良いなと感じています。
こちらも継続していくことが大切だなって思っています。