33枚目 サプライチェーンについて2

あけましておめでとうございます。

前回のコラムから、ずいぶんと時間が空いてしまいました。

例年のクリスマス時期よりも忙しく、更新が不定期になっていたのですが、まさかクリスマス明けからすぐにお正月モードに突入するとは思ってもいませんでした。

1月中旬からコロナ感染者の増加が予想されていたので、成人式が終わるまでは精一杯頑張ろうと、催事を可能な限り入れていました。
結果、12月27日から1月11日まで とても忙しい毎日が続きました。 
コロナ禍でもこんなにたくさんのお客様がミスベティーを選んで頂けることに感謝しながら、期間中はなるべく自分の手でワッフルを用意しようと思い、毎朝ワッフルを焼いていました。

案の定ですが、感染者増加のニュースとお正月明けの財布のひもが固くなるタイミングが一緒にやってきて、12日からは嘘のように静かになりました。

おかげでこうしてコラムを書くことが出来るのですが、極端な消費の波に複雑な気持ちです。

さて、前回のコラムでは値上げについて書きました。
今回は、田舎になる小さなお店のサプライチェーンについて書いていきたいと思います。

コラムが書けなかった期間に、さらに値上げの連絡を受け続けていたのですが、笑ってしまうような値上げ幅の物があったのでご紹介します。
普通は3%から5%程度の値上げをニュースなどで聞いた数か月後に値上げされるケースが多いのですが、今回の物は50%ほど価格が上がっていました。
600円程度の物が1000円近くまで値上がりです。

モーニングメニューに使用するソース類なのですが、ここまで上がってくると他の食材を使用する選択肢も入れないといけません。
他の食材に変更すると
・味が変わる
・食材を探す手間
・栄養成分表示の作り直し
・自社商品管理マスターの修正
上記のようなリスクと手間が増えます。

値上げされるだけで、商品自体が無くならないのであれば、販売価格を上げるなど、同じ味を提供する努力が出来ます。

しかし、商品自体が廃盤なってしまうとどうすることも出来ません。

例えば、パンケーキ専門店でパンケーキに使用するミックス粉が廃盤になったらどうなりますか?
チョコレートソースなどが無くなる程度でしたら、他のメーカーのソースを探すだけですが、ミックス粉はそのお店の味を決める重要な部分です。
替えが利きません。
小さなお店では、ミックス粉を自社オリジナルで用意している所は稀でしょう。メーカーに廃盤にすると言われたらそれまでです。
全く違う味のパンケーキを提供して、もう一度お客様の納得を得ていくしかないと思います。

味にこだわりがあり、丁寧に営業しているお店にとってこれほど悔しいことはありません。

コロナ禍に入ってからミスベティーでは
・ミックス粉
・ホイップクリーム
・苺
・バナナ
・各種ソース類
上記の食材すべて仕入れることが出来ないようになりました。
メーカーの廃盤や、事業縮小・倒産などが理由です。

0から新しい仕入れ先を開拓して、今までと同じ味が出せるように努力してきました。

このように、大企業のサプライチェーン問題ばかりが取り上げられていますが、末端の小さなお店は、仕入れ先である大企業の匙加減一つで商売の在り方が変わってしまうほどの影響を受けることがあります。
今は商品の絞り込みがどんどん進んで、売れる定番商品ばかりが残る時代になっているので、ニッチで質の良い食材などが廃盤になっています。
味にこだわりがあるお店ほど材料の確保に苦慮されていると思います。

では、大企業の影響を受けずに安定的に商売を続けるためには、どうすれば良いのか?
思ったよりも長くなってしまったので、そのあたりを次回書いていきたいと思います。