34枚目 サプライチェーンについて3
みなさんこんにちは。
ミスベティー 代表の白川です。
飲食店にとっては、成人式の3連休を終えてからが、お正月休みになります。
お休み期間も終わって、ようやく日常が戻ってきた感じがします。
余裕が出来たことで、毎週金曜日更新に戻れそうです。
さて、引き続き小さなお店のサプライチェーンについて書いていきたいと思います。
前回は、値上げによって仕入れが安定しなくなると色々なリスクや手間が発生すること。
値上げだけなら良いが、ニッチな商品などは、そもそも市場から無くなり、事業の根幹を揺るがす致命的な出来事が平気で起こることを書きました。
今回は、地域に根差したお店が長年安定した商品を提供する為に必要なポイントを書いていきたいと思います。
①地域で長く続くお店から仕入れる
②信頼できる地元の卸問屋を見つける
③メイン食材は自社オリジナルで
④市場流通品から本物志向に
ぱっと思いついたのが上記4つです。 文章を書きながら、頭に浮かんだ物を箇条書きにしています。
まずは1つ目の「地域で長く続くお店から仕入れる」
これは地産地消に繋がる発想なのですが、地域で長く続くお店は、質の良い物を取り扱っているケースが多く、事業基盤もしっかりしているので安定して仕入れることが出来ます。
ミスベティーだと大垣市の松下製餡所さんや、池田町の瑞草園さん、棚橋ファームさんの卵などが該当します。
次に2つ目「信頼できる地元の卸問屋を見つける」
業務スーパーなどで直接買い付けに行く方もいらっしゃると思いますが、配達をしてもらえる問屋さんはありがたい存在です。
大手の物流倉庫を構えた食品問屋さんとの付き合いも大切ですが、小回りが利き、ニッチな商品を見つけて来て下さる地元に根付いた問屋さんとの付き合いをおすすめします。
もしもニッチな商品が廃盤になってしまっても、メーカーと交渉してレシピを頂き、自社オリジナルで製造するなどの手を打つことが出来ます。
ミスベティーの薔薇餡もこのパターンで、自社オリジナルで製造しています。 日本で薔薇餡を作っているのはミスベティーだけだと思います。
3つ目の「メイン食材は自社オリジナルで」
これは根幹となるミックス粉やホイップクリームを自社オリジナル品でメーカーにOEM依頼をかけましょう。ということです。
一番多く使用する食材なので、ある程度のロット数が期待出来る為、中小企業を対象にしているOEM企業さんだと依頼を受けて下さることがあります。
ミックス粉だと一回の製造で200キロ~くらいが仕切りです。 賞味期限の3か月以内に200キロを捌けるのであれば、自社のオリジナルミックス粉を製造することをお勧めします。
ホイップクリームはロットが大きい為、オリジナル品はあまりお勧めしませんが、各メーカーの主力商品カテゴリーのホイップを使用すれば、まず廃盤は無いと思います。
ホイップクリームでもニッチな物をメインに使用すると、廃盤の危険性があるので要注意です。豆乳ホイップや他の商品よりも高額なホイップなどが該当すると思います。
最後の4つ目「市場流通品から本物志向に」
みんなが利用している安価でよく見る商品を「市場流通品」と呼んでいます。
発注したら1本から仕入れることが出来、味も悪くないため商品開発をする際は、まずはそのラインから食材を探します。
商品が売れ始め、ある程度長期的に販売を続けていくことになった場合は、商品にファンが付いているため、味の大きな変更や価格の見直しなどを極力避けたいと考えます。
市場流通品はメーカーの匙加減一つで、味のマイナーチェンジや容量の変更、価格の一方的な値上げなどが起こります。
そこでおすすめなどが、本物志向に考え方を切り替え、出来る限り自社で作る発想です。
例えば、ドレッシングを仕入れて使用していたが、価格の上昇で継続が難しくなった場合に、
オリーブオイルを組み合わせてオリジナルで作るようにしたら、価格も安くなり、出来立てのドレッシングの風味で評判が増した。
他にも、高価だが味が良く、品質が安定していて価格の変動も少ない食材をベースにシンプルな商品開発をすることが、今後のエース商品誕生に繋がる場合もあります。
4つのポイントを書いてきましたが、結局のところ「地域の力を合わせれば、長く続く良い物が作れる」ということだと思います。
地域の方の力を借りるためには、それなりに実績と信頼・努力が必要になってくると思いますが、長く続くお店には自然とそういった物が備わっているのでしょう。
2019年から2021年にかけての食材廃盤ラッシュには本当に苦労しましたが、結果的に過去よりも良いものが提供できたので、頑張ってよかったと思います。
次回は節分の日ワッフル 恵方ワッフルについて書いていきたいと思います。