70枚目 こども食堂について考える
みなさんこんにちは。
ミスベティー代表の白川です。
前回のコラムで、こども食堂を定期開催していく中で、規模とエリアの限界が見えてきたという風に書きました。
今回は、こども食堂の現状について、少し詳しく書いていきたいと思います。
このコラムの内容を考えている間に、2つの場面でこども食堂について聞かれる事がありました。
1つは、クラフトマーケットなど住民主導でイベントを企画する会
もう一つは、地域サロンなどの住民のコミュニティ形成の場を企画する会
両方とも、住民主導でコミュニケーションを図る活動であることに変わりはなく、活動的な一般の方々がSNSなどを通じて活躍しています。
そんな方たちから「こども食堂をやっているとは聞いているけど、実際どこで どんな風に 誰を対象にやっているのか分からない」
という質問を受けました。
地域活動に積極的でSNSを通じて集客を図っている方たちですら、同じ地域で開催されている、こども食堂の実態については把握されていませんでした。
この辺りを追求していくと、始めに書いた規模とエリアの限界が分かりやすいと思います。
そもそも、こども食堂というのは貧困支援だというイメージが根強く、貧困=行政サービス=生活保護と言った具合に、一般住民が気軽に手を出せる領域ではないので、限られた人たちが
取り組む物というちょっと特殊な環境に置かれています。
地域の事を考え、色々と勉強されている方たちですと、地域サロンやこども会のような物で、貧困支援に結びつける必要な無いとすぐに理解してくれます。
しかし、年齢が上になるほど、貧困支援だ。という決めつける方が多くなります。
大野町でこども食堂を定期開催している場所や団体が無いので、試しに大野町内で開催する場合の流れに沿って、説明していくと、分かりやすいと思います。
①メンバー集め
地域コミュニティの必要性を理解し、町内を活性化したいと考える同士を探します。
②活動の目的や手段の共有
地域コミュニケーションを活性化させるための手段や、その団体の活動目的などをメンバー内で共有します。
③提供するサービスの具体的な実施方法を検討
この場合は、こども食堂=地域サロン みんなが集まって、お弁当を食べたり、遊んだり、習い事をしたり。
④サービスが提供出来る理想的な場所探し
公民館や、お寺、お店、道の駅、公共施設など
⑤資金の捻出
まだ開催されてもいないことに、行政や社協さんはお金を出せません。はじめは有志のメンバーでもちより開催するしかありません。
その後、活動の意義をお伝えして、資金提供してもらえるように行政や社協さんとの連携は必須です。
⑥告知
来て欲しい対象を決め、その人たちに届く形で宣伝をします。
高齢者ならポスティングや直接訪問、回覧板など。
子育て世帯なら、SNSや学校の配布物
⑦実施
しっかりと準備をして、実際に開催します。
サービスを受けにくる人たちも半信半疑なので、お弁当を渡して終わり。ではなく、丁寧なコミュニケーションと、出来れば次回開催の時のお手伝いを頼めると良いと思います。
⑧反省会などの定例会の開催
定期開催に繋がるかどうか、1回目のあとの反省会が重要だと感じました。実施する。その後1週間後くらいに反省会&企画会を繰り返すことで、メンバーのやる気を維持することができ、定期開催の波に乗れると思います。
以上。ざっくりですが、①~⑧の流れを説明しました。
この説明の中で、こども食堂が一般周知されずらい理由が隠れています。
そもそも①のメンバー集めの段階で、相当少数派になります。
激レアな地域活性化人材を見つけ、地域コミュニケーションの重要性を理解し、こども食堂や地域サロンを開催したいと思う人を集める。 この段階で極端にメンバーが絞られてくると思います。
実際に大野町でこども食堂を開催したいと思い、動いていますが、今のところ5人しかいません。しかも、みなさん商売をしているなどそれなりに活動されている方ばかり。
②~④の中で、サービスを受ける人を大きく募集かけても、町内の方 基本は同じ自治会の範囲で。 且つ、提供する場所によって、サービス内容や収容人数に限界がある。
以上をまとめると
「限られて有志のメンバーで、制限のある施設で、狭い範囲の方にサービスを提供する」
このことが、一般周知されない理由です。
しかし、一般周知されないことが悪いことなのかというと、そうでもなく、自分たちが所属している地域のコミュニケーションを活性化させることが主な目的ですので、別に大々的にやる必要はありません。
各団体では大々的にやる必要はありませんが、このような地域活性化活動を周知する必要はあると考えています。
そうしないと、新しいメンバーも増えませんし、活動の輪が広がっていきません。
では、どのようにして、狭い活動をしている団体を一般周知していくのか。
「狭い活動の団体をいっぱい作ればよい」
と考えています。
こども食堂は各学区ごとにあると良いと言われいます。
私も色々と研究していく中で、中学校の学区単位が一番効率的だと感じました。 人口が多いエリアだと小学校の学区単位でも良いと思います。
これはPTA活動が自治会活動とも連携しているため、メンバー集めや告知をする際にPTAの繋がりというのは切り離せないからです。
中学校の学区単位でこども食堂を開催し、PTAの連絡網を活用しながら、地域の子育て世代が中心となって企画していくことで、自然と一般周知されていくと思います。
SNSでバズったり、フォロワーが多いことが周知されていると勘違いしがちですが、誰のためのサービスで誰に知ってもらいたいかを考えると分かりますよね。
SNSの繋がりだと、似たような志向の方が集まるので、こども食堂界隈の人たちと繋がることは出来ても、一般化は出来ません。
おそらく、このあたりがSNSを活用している人でも、こども食堂の実態を知らないという状況を作りだしていると思います。
ものすごい長文になってきました。
このあたりで要約しますと。
「こども食堂の規模とエリアの限界について」
①意欲ある人がそもそも激レアさんなので、提供できるサービスの量に限界がある。
②サービスの受益者と活動の目的が狭い範囲の活動で完結してしまうため、エリアは中学校の学区内で収まってしまう
③活動内容はSNSなどを通じて、発信しているが、こども食堂が好きな人など、似たような人たちには情報が届くが、興味がない一般住民には届いていない。PTA活動など実態を伴う地域組織と絡める必要がある。
以上です。
途中から自分でも何を書いているのか分からなくなってきました。
現在、大野町でこども食堂=地域サロンのような物を開催出来ないか、水面下で動いています。
もし、興味がある方いらしたら、お問い合わせフォームかお電話にてお問い合わせください。